賃金は労働者の主な収入源です。私的自治の原則によれば、賃金の決定と支払いの方法は、労働契約の両当事者の合意に従うものとします。ただし、労働関係において、労働者が使用者より社会的および経済的に劣っているので、労働法は労働者の権利又は利益を保護するために賃金に関する最低基準を設定しています。賃金についての話題がいろいろありますが、この記事では、賃金の支払い期限についてのみ説明します。
1.労働者が働くした後に支払われる賃金の原則
カンボジアの民法第664条に従って、雇用契約は、当事者の一方が相手方に対し労務に服することをを約束し、相手方がこれに賃金を与えることを約束することにより、成立する。労務を服することを約束した当事者を労働者といい、その相手方を使用者といい。これが「労働がなければ支払われていない」又は「無労務無給」という原則と言われています。従って、労働者は最初に労働をしなければならず、使用者は労働者に賃金を支払います。ほとんどの労働関係では、使用者は債務者と呼ばれ、労働者は債権者と呼ばれています。
2.1ヶ月で2回の払われる賃金の規則
労働法第116条によると、工員の賃金は、月に少なくとも月に2度、最大16日の期間を開けて、支払わなければなりません。従業員の賃金は、月に少なくとも1度、支払わなければなりません。したがって、2019年1月以前の次の規制によると、2つの異なる慣行がありました。使用者は1ヶ月で2回労働者に賃金を支払い、従業員又は助手に1ヶ月で1回支払いました。労働契約が終了する場合時、賃金及びあらゆる補償は、労務提供の終了日から48時間以内に支払われなければなりません。
労働者の「支払われる権利」を確保するために、労働職業訓練省は、労働者の給与の支払いについて、2018年9月21日付のプラカス第442号を出しました。これによると、2019年1月から企業の所有者又は使用者が工員と従業員に1ヵ月に2回賃金を支払わなければなりません。つまり、毎月1回目は第2週に当たり、2回目は第4週に当たります。1回目は月額純賃金の50%を支払われます。2回目は、労働者が毎月受け取る残りの賃金、限界給、およびその他の給付を支払われます。
3.支払遅延
労働法第117条によれば、賃金の支払いが正当な理由なく遅延している場合、労働監督官は使用者に対し、支払期日を定め、それまでに労働者の賃金を支払うよう通知しなければなりません。使用者が前項の期日までに賃金を支払わなかった場合、労働監督官は、無償で報告書を作成し、管轄権を有する裁判所に提出しなければなりません。当該裁判所は、臨時行政官の任命も含め、労働者の財産を守るためのあらゆる手段を講じることができます。労働監督官は、使用者に、労働者及び従業員に対する使用者の義務を履行させるよう、あらゆる措置を講じることができます。
労働法第365条に従って、民事上の責任がない場合、第116条の規定に違反した者には、民事上の責任とは別に、31日以上60日以下の日給相当額の罰金を科します。それに、2016年6月6日に経済財務省と労働・職業訓練省が労働法違反者に対する罰金について共同宣言を出しました。これによると、使用者が制限時間を超えて労働者に支払わらない場合、又は労働法の第116条に従って規定された回数に従わない場合、使用者は42日の日給相当額の罰金を科せられ、その金額は1,680,000 KHRになります。罰側は、裁判所の裁量に基づき、31日から60日の日給相当額の罰金を科せられ、その金額は KHR 1,240,000になります。
賃金の支払いに争いがある場合、使用者が、賃金を支払った事実について証明する義務を負います。前項の証明は、使用者が保管すべき給与元帳への受領の署名によって行うことができます。労働者が文字を書くことができない者である場合は、2人の立会人の給与元帳への署名によって証明することができます。(労働法第118条)